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ブックレビュー Part1 [BOOKレビュー]

4ヵ月あまりでまた溜めてしまった・・・
というわけで、またもや2部構成で14冊行きます。
まずは、島田荘司氏の連チャンから。

上高地の切り裂きジャック (文春文庫)

上高地の切り裂きジャック (文春文庫)

  • 作者: 島田 荘司
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2006/11
  • メディア: 文庫
中編2編からなる御手洗シリーズの1冊。
タイトル作品は、Whyダニットとでも言うんでしょうか
「不自然な状況がいかにしてなされたのか?」というのがキモです。
この手のものは、いかに理由づけを上手くするかに成否がかかってくるんですが、
これはまぁまぁ?(笑)
やはり御手洗がスウェーデンに居るという設定が縛りになっちゃってんでしょうね。
もう1編は、まだ御手洗が横浜にいる時の話なんですが・・・なんか読んだ覚えあるぞ。
どっかのアンソロジーにでも収録されてたか?

龍臥亭幻想(上) (光文社文庫)

龍臥亭幻想(上) (光文社文庫)

  • 作者: 島田 荘司
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2007/10/11
  • メディア: 文庫

龍臥亭幻想(下) (光文社文庫)

龍臥亭幻想(下) (光文社文庫)

  • 作者: 島田 荘司
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2007/10/11
  • メディア: 文庫
こちらもスウェーデンにいる御手洗の代わりにワトソン役の石岡和巳が右往左往する一編です。
かつて御手洗とともにかかわった「龍臥亭事件」がおきた貝繁村に集ったかつての関係者。
そこで再びおこる「森孝魔王伝説」をモチーフとした猟奇殺人・・・という話なんですが、
登場人物かがつての関係者(「龍臥亭事件」参照(笑))なもんですから
人間関係を思い出すのが一苦労(笑)
なんてったって「龍臥亭事件」が出たのが1999年ですから!(笑)
なかでも加納通子って誰だっけ・・・って、吉敷竹史の奥さんじゃねぇか!
てか、御手洗潔と吉敷竹史の競演だよ!
帯にあった「ロマネスク本格」という言葉が、確かにはまっている物語ではあります。

ネジ式ザゼツキー (講談社文庫)

ネジ式ザゼツキー (講談社文庫)

  • 作者: 島田 荘司
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/10/14
  • メディア: 文庫
スウェーデンで研究者としての生活を送っている御手洗の元に連れてこられた男は、
記憶に障害を持っており、なんとか自分の過去を取り戻したいという。
しかし手がかりはその男が書いたファンタジー小説「タンジール蜜柑共和国への帰還」のみ。
だがそれを読んだ御手洗はそこに全てが書かれているという!
安楽椅子探偵はかくやという1編ではありますが、
なにせ物語のピースを現実にあてはめていくという作業は、膨大な知識を必要とするわけで
博覧強記の御手洗でなくてはとても話の再構成は出来ないというか、
ついていくだけで大変というか・・・。
この話のキモはある意味「地震」だと思ったんですが、まさか・・・

摩天楼の怪人 (創元推理文庫)

摩天楼の怪人 (創元推理文庫)

  • 作者: 島田 荘司
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2009/05/30
  • メディア: 文庫
ニューヨークにいた頃の御手洗がかかわったこの話も、地震がキモかよ(笑)
大女優が死の間際に告げた半生記も昔の殺人の告白。
未だ捕まっていないその事件の犯人は、本当にその女優なのか?
そしてそれに連なる当時の不可解殺人の数々。
時間の壁を越えて、御手洗が真相を解き明かす・・・ってあれ?
構図的には「ネジ式ザゼツキー」に似てんじゃね?(笑)
ただしこっちはニューヨークの高層建築史がキーワードになっています。
結局、あの地下世界はなんだったんだろう・・・

水の迷宮 (光文社文庫)

水の迷宮 (光文社文庫)

  • 作者: 石持 浅海
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2007/05/10
  • メディア: 文庫
お初の作家、石持浅海氏の水族館を舞台としたミステリー。
魚たちを人質(?)に取られた職員達と犯人の攻防を描く一種のクローズドサークルものですが、
水族館という特殊な職場の裏側を垣間みれるだけでも面白いのに、
その職場ゆえの犯罪というもの面白い。
その事件がなぜ起こったのか、そして結末は・・・。
久々にヒットだったと思いますよ。

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

  • 作者: 湊 かなえ
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2010/04/08
  • メディア: 文庫
本屋大賞も受賞して、映画化もされた作品を3年ほど寝かせて読みました(笑)
ミステリだと思って読んだら第1章の「聖職者」で話は終了。
CMなんかでやってた教師の子供が担任していたクラスの子に殺されたって言うあれです。
あれ?こんな短編集なの?と思ったら、次が同級生、犯人の母親と次々と語り手が変わっていきます。
なるほど、立場を変えて事件を見るという手法なのか・・・とおもいきや、
そこここに伏線が張られているんですね。
それが回収されつつ迎えた結末は・・・どうなんだろ。
作品としては面白いとは思いましたけどね。

愚か者死すべし (ハヤカワ文庫 JA ハ 4-7)

愚か者死すべし (ハヤカワ文庫 JA ハ 4-7)

  • 作者: 原 りょう
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2007/12
  • メディア: 文庫
「そして夜は甦る」から始まった私立探偵・沢崎のシリーズですが
前作「さらば長き眠り」の文庫が2000年の刊行。
それから7年して出た今作を6年寝かせて読みました・・・時代がぁ・・・
私のハードボイルド歴は大藪春彦から始まっているので、
血と硝煙とセックス=ハードボイルドになっているんですが
氏の沢崎シリーズは、チャンドラーの系譜とでも言うのか、
大仰な台詞回しに独白・・・これはもはや様式美なんですね(笑)
たまたまかかわった暴力団がらみの銀行強盗から端を発し、
次々と事件に絡め取られている構図は、なんか新宿鮫を彷彿とさせます。
方や私立探偵、方や組織の中の孤立者。似てるっちゃ似てるか。
さて、今作は新生沢崎の第1弾だそうですが、第2弾っていつになるんでしょうねぇ。

続く・・・
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