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ブックレビュー Part2 [BOOKレビュー]

続いては、森氏以外の11冊です。

名残り火―てのひらの闇〈2〉 (文春文庫)

名残り火―てのひらの闇〈2〉 (文春文庫)

  • 作者: 藤原 伊織
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/06/10
  • メディア: 文庫
これが氏の最後の作品なんだよなぁ。
前作「てのひらの闇」の主人公・堀江が、かつての同期柿島の死に不審を抱き、
その「事件」の解明を進めていくと・・・
ミステリなんだけど、ハードボイルドです。それも大沢在昌ばりの。
流通業界の裏側を描きつつ話が進むので、難しい部分もありますが、のめり込んでしまう。
このぐいぐい引っ張っていく感は凄いと思います。
しかし、今回はキーパーソンとして登場した三上社長が、
おいしい部分をかなり持って行ってしまったでしょ!
強烈すぎますよ、あの人物造形は!

女王国の城 上 (創元推理文庫)

女王国の城 上 (創元推理文庫)

  • 作者: 有栖川 有栖
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2011/01/26
  • メディア: 文庫

女王国の城 下 (創元推理文庫)

女王国の城 下 (創元推理文庫)

  • 作者: 有栖川 有栖
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2011/01/27
  • メディア: 文庫

実に15年ぶりの江神シリーズです!
人物関係すっかり忘れています!
でも、読み始めると意外と思い出すもんですねぇ。
今回はフィールドワークと称して(?)出奔した江上部長を追いかけて、アリス達が某宗教施設に赴くと、
殺人事件に巻き込まれた上に軟禁状態に!
一種のクローズドサークル物ですが、前作「双頭の悪魔」も似た状況じゃ?(笑)
色々巡らせた思いはありますが、最後のどんでん返しは・・・いいのかい?
ま、納得は出来るけどね。
しかし、「月光ゲーム」から24年経ってもアリス達は大学生なんですね。
その間に技術はかなり進歩してしまっているから、インターネットとかの扱いに結構困っている感が(笑)

十三番目の陪審員 (創元推理文庫)

十三番目の陪審員 (創元推理文庫)

  • 作者: 芦辺 拓
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2008/10
  • メディア: 文庫

森江春策シリーズは出版社によって時系列が変わったりしているんで、今やパラレルワールドと化していますね。
今回のテーマは「冤罪」。
でっち上げた殺人事件の犯人となって警察の取り調べの実情を暴くはずが、
現実の事件の犯人にされてしまった鷹見瞭一。
その「事件」の目撃者となってしまったが故に弁護を引き受けてしまった森江春策。
現在捜査の決定的証拠とも言える「DNA」を巡っての火花散る法廷闘争!
いや、ホントにこの作品のキモは法廷場面にこそありますよ。(ジョン・グリシャムか!)
しかし、ここまで突飛な状況は一般的にはないからいいようなものの、
見方というのは難しいもんです。
統計学を囓った友人も言っていました。
「恣意的に見ることによっていくらでも誘導できる」と。

千一夜の館の殺人 (光文社文庫)

千一夜の館の殺人 (光文社文庫)

  • 作者: 芦辺 拓
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2009/08/06
  • メディア: 文庫
続いても森江春策シリーズ。
なんとホームグラウンドの大阪から東京に引っ越してきました!
今回のテーマは「遺産」。
誰が死ねば誰が遺産を貰える。そうすると容疑者は・・・といった事の繰り返し(笑)
助手の新島ともかが、渦中の一族に潜入して事件を追うんですが・・・
今回の主人公は新島ともかで、肝心の森江春策は最後の方にしか活躍しません(笑)
館の秘密に関しては、地図さえ見れば私にもわかりました。
が、本当の人物関係となると・・・。

彼女らは雪の迷宮に (祥伝社文庫)

彼女らは雪の迷宮に (祥伝社文庫)

  • 作者: 芦辺 拓
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2012/02/04
  • メディア: 文庫
これも新島ともかが主人公だわ。
彼女を含めた女性6人が招待された山荘のホテル。
そこには食事の準備はあるものの、従業員の姿もなく、荒天のために外に出ることも出来ない。
そんな中1人また1人と宿泊者が消え・・・。
純然たるクローズドサークルもので、作者もそれを意識して作ったようです。
仕掛け自体はなんとなくわかったんですが、その背景となると。
ちょっと強引な気もしないでもないですね。

鷺と雪 (文春文庫)

鷺と雪 (文春文庫)

  • 作者: 北村 薫
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2011/10/07
  • メディア: 文庫
ベッキーさんシリーズの最終作は直木賞受賞作。
このシリーズはミステリとして読むより、昭和初期の物語として読んだ方がしっくり来るかもしれませんね。
物語の端々から感じられる不穏な空気は最後の話で現実のものとなりますが
その話の鍵となる間違い電話こそがこのシリーズのきっかけとなったと後書きにありました。
想像力って凄い!

密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社文庫)

密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社文庫)

  • 作者: 歌野 晶午
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/01/15
  • メディア: 文庫
こいつはまた凄い話だわ。
ネット上で知り合った4人が殺人事件の推理をしあう。
ただし、それぞれの事件は出題者が犯行をおこなったものである!
いや、えぐいっす。
出題者が犯人な訳ですから「whodunit」ではなく「howdunit」。
それも一筋縄ではいかない犯行ばかり。
だって問題のための殺人な訳だから、被害者との接点がないわけで、通り魔とかわんないんですよ!
それがQ7の「密室でなく、アリバイでもなく」でまさかの展開!
さらに「誰が彼女を殺し(救え)ますか?」に至っては・・・
それが最後のページで「to be continued」ときたもんだ!続くのかよ!(笑)

気分は名探偵―犯人当てアンソロジー (徳間文庫)

気分は名探偵―犯人当てアンソロジー (徳間文庫)

  • 作者: 我孫子 武丸
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2008/09/05
  • メディア: 文庫
これも前に読んでた〜〜〜ダブりだ〜〜〜
のわりには内容覚えていない〜〜〜。なんでわりと楽しめた(笑)
しかし、執筆陣のうち貫井徳郎以外はほとんど読んでるんだが、
我孫子武丸氏とか霧舎巧氏、摩耶雄嵩氏って最近出してないんでない?

作家の犯行現場 (新潮文庫)

作家の犯行現場 (新潮文庫)

  • 作者: 有栖川 有栖
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/01/28
  • メディア: 文庫
ミステリ作品かと思ってかったら違うんでやんの!(笑)
ミステリの舞台となる場所を実際に旅した氏のエッセイです。
各場所ごとに4作品ほどその地を舞台にした作品が紹介されているんですが、
その半分くらいは読んでいる&知っているものでした。
ま、古典以外は新本格以降の作品が多いのでさもありなんですけどね。

田舎の刑事の動物記 (創元推理文庫)

田舎の刑事の動物記 (創元推理文庫)

  • 作者: 滝田 務雄
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2011/12/21
  • メディア: 文庫

前作「田舎の刑事の趣味とお仕事」が面白かったんで購入。
強烈なキャラクターの黒川鈴木巡査部長(どんな名前だ!)と使えない部下・白石高作を中心とした短編集です。
今回も黒川巡査部長は不憫で白石は自由です(笑)
そして黒川巡査部長の奥さんはもっと自由です!
事件の謎解きもさることながら、黒川巡査部長の不憫さも注目すべきところでしょう。

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